ギラギラと照りつける太陽から私たちを守り、夏のスタイリングを鮮やかに彩ってくれたお気に入りの帽子たち。秋風が心地よくなり、秋冬物へと衣替えするこのタイミングで、そのままクローゼットの奥に押し込んでしまっていませんか?
夏にフル稼働した帽子には、汗や皮脂、目に見えない砂埃、そして紫外線によるダメージが蓄積しています。適切なメンテナンスをせず放置すると、来年の夏に取り出したとき「黄色いシミ」「カビ」「ひどい型崩れ」に直面することになりかねません。
今回は、帽子をいつまでも美しく、長く愛し続けるための「素材別のお手入れ方法」と「正しい保管のルール」をご紹介します。
01なぜ、クローゼットに入れる前のケアが「命」なのか?
見えない「皮脂」と「湿気」が引き起こすトラブル
夏の間、帽子が吸収した汗や皮脂は、時間が経つと酸化して繊維を黄ばませる原因になります。また、帽子には頭皮から剥がれ落ちたフケや砂埃なども付着しており、これらはカビや虫食いの絶好の栄養源となってしまいます。
特に秋から冬にかけてのクローゼットや押入れは、閉め切りがちで空気が滞留し、意外にも湿気が溜まりやすい環境です。少しの手間を惜しまずにケアをしてから収納することで、帽子の寿命は2年、3年と劇的に伸びていきます。
お気に入りの帽子を「消耗品」にするか、何年も共に歩む「相棒」にするかは、この秋のワンステップで決まります。
— REGATTO スタイリスト
02自宅でできる!帽子の素材別お手入れ手順
帽子の素材によって水洗いの可否やお掃除の手順が異なります。ご愛用のアイテムに合わせて適切にお手入れを行いましょう。
① ストローハット・パナマハット(天然草素材)
天然草のハットは水濡れに非常に弱く、丸洗いは厳禁です。水に濡れると繊維がふやけて縮んだり、全体のフォルムが歪んで元に戻らなくなってしまいます。
【お手入れ方法】
1. 全体のホコリを払う: 柔らかい馬毛などのハット用ブラシを使い、網目に沿って優しくホコリを払い落とします。
2. 内側の汗止めテープ(スベリ)を拭く: 最も汗を吸うおでこ部分のテープは、水で薄めた中性洗剤(おしゃれ着洗剤など)に浸し、固く固く絞ったきれいな布で、トントンと叩くように汚れを拭き取ります。
3. 洗剤分を拭き取る: その後、水を含ませて固く絞った別の布で、再度洗剤分を完全に拭き取ります。
4. 陰干し: 風通しの良い日陰で十分に乾かします。
② コットンキャップ・バケットハット
コットン製のキャップやバケットハットは、手洗いが可能なものが多くあります(※必ず洗濯表示をご確認ください)。
【お手入れ方法】
1. 押し洗いする: 洗面ボウルにぬるま湯を張り、中性洗剤を溶かします。帽子を優しく押し洗いし、型崩れを防ぐためにゴシゴシと擦らないようにします。
2. すすぐ: 水を換えながら、洗剤が残らないように十分にすすぎます。
3. 脱水する: タオルで帽子を包み込み、優しく押して水分を吸い取ります(洗濯機の脱水機は型崩れの原因となるため極力避けてください)。
4. 形を整えて干す: クローゼットに入れる前に、内側に乾いたタオルを丸めて詰め、シワを伸ばし、帽子の美しい丸みを保った状態で風通しの良い日陰で吊り干し、または平干しします。
03型崩れ・カビを防ぐ正しい保管の「3原則」
お手入れをしてしっかり乾かした後は、保管の仕方が重要です。来シーズンまで美しい形を保つための3つの鉄則を守りましょう。
クラウン(頭頂部)に詰め物をする
帽子の中に無地の薄紙(クレープ紙など)を丸めて詰め、内側からシルエットを支えます。※新聞紙はインクが帽子に移る可能性があるため避け、白い紙を使用してください。
ブリム(ツバ)に負荷をかけない
ハットはツバを下にして直接置くと、自重でツバが平らに伸びたり歪んだりします。ハットスタンドにかけるか、クラウン(頭頂部)を下にして逆さまに置くのが基本です。
最後の3つ目は「通気性の確保」です。プラスチック製の収納ケースやビニール袋は湿気がこもりやすくカビの温床になります。不織布の袋に入れるか、空気穴のある専用の紙製ハットボックスに入れて、直射日光の当たらない風通しの良い高所に保管してください。
04帽子の保管とメンテナンス Q&A
お気に入りの帽子を長持ちさせるために、お客様からよくいただくお手入れの疑問に帽子スタイリストが回答します。
多くのストローハットやウールハットは、アイロンのスチーム(蒸気)を優しく当ててあげることで修正可能です。内側に丸めたタオルなどを詰めて形をキープし、少し離した場所からスチームをたっぷり当てて手で形を整えます。その後、完全に冷えて乾燥するまで置いておくと綺麗な形が定着します。(※熱に弱い化学繊維など一部素材にはご使用になれませんので、必ず洗濯表示をご確認ください)
配送用のダンボール箱は、非常に湿気を吸収・保持しやすく、中に湿気がこもってカビやダニが発生しやすいため、長期保管用としてはお勧めしません。ハット専用の通気口があるハットボックスや、通気性の良い不織布の収納袋に入れ、湿気取り剤(乾燥剤)を近くに置いて保管するのが最も安全です。
内側のスベリ(おでこが当たる黒いリボン状のテープ)についたファンデーションなどの油性汚れは、少量のクレンジングオイルを綿棒に含ませ、汚れた部分を優しくトントンと叩くようにして浮かせるのが効果的です。その後、固く絞った濡れタオルでクレンジング成分を綺麗に叩き落として乾燥させてください。汚れが気になる方は、被る前に貼るだけで洗える使い捨ての「ハットライナー」をあらかじめスベリに貼っておくのがおすすめです。
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